悪の枢軸発言(あくのすうじくはつげん)とは、アメリカ合衆国のブッシュ大統領が、2002年1月29日の一般教書演説で、反テロ対策の対象として北朝鮮、イラン、イラクの3ヶ国を名指し、これらの国を「悪の枢軸(axis of evil)」と総称して批判したものである。
この発言は世界的に大きな波紋を広げ、北朝鮮などが態度を硬化させる原因にもなった。
さらに、2003年には国連の武器査察団に非協力的で、化学兵器、生物兵器などを保有すると米国などから見られているイラクと、国際原子力機関 (IAEA) の査察団を追放し、国際条約を破棄して核開発に乗り出した北朝鮮とがしばしば比較された。
米国がイラク問題により強い関心を示し、先制攻撃も辞さないとの姿勢を維持した一方で、北朝鮮に対しては外交ベースの折衝を行ったことから、「アメリカは石油をコントロールするためにイラクを攻撃したいのではないか」と疑われ、非難されることにもなった。
また、3ヶ国のうち北朝鮮はイスラム教国家ではないこと、3ヶ国が軍事協定の類いを結んだ様子がない事(1930年代-1945年の枢軸国との根本的違い)から、北朝鮮については「テロリズムに対する戦争」がイスラム教とキリスト教の戦争(=十字軍、文明の衝突)であるとの認識を否定するわかりやすい根拠だと考える向きもある。また、イランは当時改革派ハタミ政権であり、この発言でイラン改革派を追い込むことになった。そのため、イランに対する当時の発言は失言であるという批判が一部にある。
なお、北朝鮮は2002年10月に「われわれは悪の枢軸 の一員だ」と開き直ったような発言をしている。
「悪の軸」という表現は、ウィンストン・チャーチルとロナルド・レーガンからの引用を組み合わせたものと見られる。
「軸(axis)」という表現を非難のために使ったのはチャーチルが初めてであり[要出典]、第二次世界大戦における「枢軸国」(主に、イタリア、ドイツ、日本)を表現したものであった。
冷戦中、レーガンによって使われた「悪の帝国」は、当時のソ連を表現したものであった。
ブッシュ大統領はレーガン大統領に影響を受けていることを認めており、レーガンが一般教書演説で行った「悪の帝国」発言を真似た物だという指摘がある。
また、イラク戦争後の2006年3月10日にワシントンで行った講演でも再び悪の枢軸という表現を用い、イランと北朝鮮を批判している。
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